WordPressの無料テーマの中でも、初心者にとってわかりやすく、かつ実用的なものを探すとなると、選択肢は思ったより少ないと感じます。
そんな中、「Lightning」というテーマに出会ったのは、Cocoonで思うようにデザインを整えられなかった頃のことでした。
当時はまだブログのデザインに自信がなく、何をどうカスタマイズすればいいのかもよくわかっていませんでした。
Lightningはその不安を少し和らげてくれるような存在でした。
無料でここまでできるのかという驚きと、逆に「無料ゆえの限界」も感じながら使ってきました。
その中で見えてきたことを、ここに残しておきます。

Lightningを選んだ理由と、最初に感じたこと

WordPressテーマは、まるで家の設計図のようなものだと感じています。
土台や構造を選んだ時点で、その後の暮らしやすさが決まってしまう。
ブログに置き換えれば、見た目や方向性、発信のテンションまでテーマに左右される部分が本当に多いのです。
最初に選んだのはCocoonでした。
多機能で評価も高く、いろんなブログで「初心者におすすめ」と紹介されていたので、安心して選びました。
ただ、実際に使ってみると、設定項目が多すぎて混乱してしまったのが正直なところです。
どこをどう触ればいいのか、迷う時間のほうが長くなってしまい、記事を書くどころではなくなっていました。
そんなときに出会ったのがLightningです。
目に入ったのは、「無料なのに法人サイトにも使える」「信頼感のあるデザイン」といった口コミでした。
ちょっと堅そうな印象もありましたが、「とにかく迷わずに始められるテーマがほしい」と思っていた私には、むしろ安心材料になりました。
シンプルなのにきっちり整うデザイン
インストールして最初に感じたのは、想像以上に整っているデザインでした。
ビジネス向けのテーマというだけあって、レイアウトは無駄がなく、フォントの選び方や行間のバランスも落ち着いています。
「雑記ブログには堅いかな?」と一瞬思いましたが、不思議と文章が引き締まって見える効果があったのです。
Lightningでは、トップページがすでに“形”になっている状態からスタートできます。
最初からある程度の体裁が整っているだけで、精神的にとてもラクになります。
Cocoonでは、自由にカスタマイズできる反面、「どう組み立てればいいのか」という設計の段階で手が止まってしまっていた私にとって、この完成度は大きな魅力でした。
また、Lightningには「VK Blocks」という専用のブロックエディタ用機能が用意されています。
このブロックを使うだけで、見出しやボックス、カラムのレイアウトが簡単に整います。
デザインに自信がなかった私でも、「あ、これなら使えそう」と思える瞬間が増えていきました。
どれだけ機能が豊富でも、それを使いこなせなければ意味がないと、後になって実感しました。
Lightningはその逆で、「使える範囲が限られているからこそ、迷わない」。
それが、思いがけず大きなメリットに感じられたのです。
操作に迷わないUI設計
WordPressの管理画面は、テーマによってけっこう印象が変わります。
LightningのUIはとてもシンプルで、必要なメニューが絞られている印象です。
たとえば、デザインの設定やレイアウトのカスタマイズなども、「どこを触れば反映されるのか」が直感的にわかりやすいのが特徴です。
Cocoonを使っていたときは、設定画面の多さに毎回圧倒されていました。
何をどう設定すればどう変わるのかが見えにくくて、「間違って触ったら崩れるかも」と不安になることもあったのを覚えています。
Lightningの場合は、そういった不安を感じる場面がほとんどありませんでした。
たとえば、ヘッダー画像の設定や色の変更なども、見たままの画面で完結しますし、プレビューの確認もサクサク進みます。
「設定画面で迷わない」「余計なオプションがない」ということは、初心者にとってはすごく大きな安心材料です。
自由度よりも、分かりやすさを優先したい段階では、Lightningのようなテーマはぴったりだと感じました。
それに、最初から細かくデザインをいじろうとしても、全体の構成が見えていなければ、どうしてもちぐはぐになりがちです。
Lightningでは、まず「形を作る」ことができて、そのあとで少しずつ微調整していく、という流れが自然にできあがります。
これが、自分にとってはとても心地よい使い方でした。
Lightningで感じたメリットと「ここは惜しい」と思った点

Lightningというテーマは、無料とは思えないほど完成度が高くて、最初に使ったときは正直かなり感動しました。
けれど、しばらく運用してみると、良いところばかりではなく、惜しいなと感じるポイントもいくつか出てきます。
どんなテーマでもそうですが、実際に使ってみないとわからないクセのようなものがあります。
特に、無料テーマでここまで整っているからこそ、余計に「あとちょっと」が気になってしまうのかもしれません。
無料なのに企業サイト風の体裁が整う
この点はLightningの最大の魅力だと感じています。
デザインに手を加えなくても、インストールしただけである程度きちんとした見た目になりますし、全体のトーンもどこか品があるのです。
副業ブログとして信頼感を出したかった私にとって、落ち着いたフォントや余白の取り方、トップページの構成など、すべてが「安心して読める印象」を与えてくれました。
中途半端にポップすぎたり、派手だったりすると、読む側としても身構えてしまうことがありますが、Lightningではそういう違和感を感じることがありません。
自分の文章が急にプロっぽく見えるような気さえしてきて、それがモチベーションにもつながっていました。
なんだか不思議な話ですが、「整ったデザインの中で書くと、整った文章を書きたくなる」という感覚もあったのです。
ただ、落ち着いたデザインが逆に足かせになる場面もありました。
たとえば、ブログにもう少し遊び心を出したいとか、色で印象を変えたいというときに、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。
デフォルトの配色や見出しのデザインがビジネス寄りなので、カジュアルな雰囲気に寄せるには追加のCSSで調整する必要がありました。
そこが、デザインに強くない人にはややハードルが高いかもしれません。
「信頼感」はあるけれど「親しみやすさ」は抑え気味というのが、Lightningのバランスだと感じました。
広告やアフィリエイトとの相性
この部分は、正直もっと相性が良ければいいのにと何度か思いました。
ブログを副業の一環として始めたので、どうしてもアフィリエイトや広告との相性は気になってしまいます。
Lightning自体には広告用のウィジェットスペースもありますし、専用のカスタマイズ機能も一部あります。
ただ、実際に設置してみると、「なんだか見栄えがイマイチだな」と感じることが多かったのです。
特に気になったのはスマートフォンでの表示です。PCではサイドバーやヘッダーに広告を配置することで、バランスよく収まるのですが、スマホ表示になるとサイドバーの内容が本文のかなり下に追いやられてしまいます。
結果として、せっかく設置した広告が読者の目にほとんど触れないまま終わってしまうのです。
また、Lightningの全体的な設計が「見やすさ」や「整ったデザイン」を重視しているため、広告のように外部コンテンツがポンと入ってくると、どうしても浮いて見えてしまいます。
たとえば、記事下にアフィリエイトリンクを載せようとしたときも、デフォルトのマージンやパディングの設定と合わず、違和感が出ることがありました。
これを解消するには、HTMLやCSSでちょっとした調整を加える必要があります。
でも、コードをいじるのに慣れていないと、それだけで躊躇してしまうんですよね。
実際、私も何度か調整に失敗してレイアウトを崩したことがあります。
Lightningを「広告メディア」としてがっつり使うには、少し工夫と知識が必要になるのが現実です。
逆に言えば、見た目や文章の信頼感を大切にしつつ、自然な形で広告を馴染ませる工夫ができる人にとっては、かえって強みになるかもしれません。
Lightningを使い続けるかどうかの分かれ道
実際にLightningを数ヶ月使ってみて強く感じたのは、「すごく真面目なテーマだな」という印象です。
デザインも構造もとても整っていて、必要な機能は過不足なく揃っています。
余計な装飾や派手さはなく、ブログに集中できるミニマルな設計。
それだけに、無駄がなく、効率的に運用できるという安心感がありました。
ただ、その「型にはまった安心感」が、長く使う中で少しずつ窮屈にも感じてきました。
というのも、ブログを続けていくうちに「もう少し自由に、自分らしく表現したい」という気持ちが強くなってきたのです。
具体的には、装飾にこだわった記事構成や、目を引く見出しデザイン、記事下のCTA(行動喚起)部分など、細かい部分をもっと自由にカスタマイズしたくなりました。
LightningでもCSSやプラグインを使えばある程度の調整はできますが、それには技術的な知識と手間が必要です。
私のように、Web制作にあまり詳しくないブロガーにとっては、そこが小さなストレスになってしまうこともありました。
そして最終的に、私は有料テーマの「SWELL」へと乗り換えることを決めました。
理由はシンプルで、「もっと自由にブログを作り込みたくなったから」です。
Lightningに不満があったというより、「自分の表現欲がテーマの限界を超えてしまった」という感覚に近いです。
向いている人・向いていない人
Lightningは、次のような方には非常に向いているテーマだと思います。
- WordPressを初めて使う人
- 見た目が整ったブログをすぐに立ち上げたい人
- 情報を丁寧に整理して発信したい人
- 法人サイトや信頼性重視のブログを作りたい人
逆に、次のようなニーズがある方には、少し物足りなく感じるかもしれません。
- デザインを細かく調整して個性を出したい
- アニメーションや装飾を効果的に使いたい
- 広告・アフィリエイトの配置や導線設計にこだわりたい
- 書き手の感情や世界観を表現したい
私自身も、「読者との距離をもう少し縮めたい」「もっと親しみやすい雰囲気にしたい」と感じたのが、テーマ変更の大きなきっかけでした。
Lightningが悪いわけではなく、成長した自分のニーズと合わなくなった、というだけの話です。
「無料の安心感」はやっぱり強い
それでも、Lightningの「無料でここまでできる」という安心感は、今でもとても印象に残っています。
実際、テーマのアップデートも頻繁に行われており、開発が止まっているような不安も感じたことがありませんでした。
無料テーマの中には、途中で更新が止まったり、サポートが手薄になったりするものも多い中で、Lightningはそうした心配が少ない信頼できるテーマです。
だからこそ、WordPressにまだ不慣れな方や、まずは無料でブログを始めてみたいという方には、迷わずおすすめできる選択肢です。
最初のステップを踏み出すための“安心な土台”として、Lightningは非常に心強い存在だと感じています。
まとめ

WordPressの無料テーマ「Lightning」は、特にブログを始めたばかりの方や、企業サイトのような整ったデザインを求める方にとって非常に頼れる選択肢です。
無駄のないUIと、最初から整った構成は、設定やデザインで迷いやすい初心者にとって大きな助けになります。
一方で、より自由なカスタマイズや感情表現を追求したくなった場合には、別のテーマ(例えばSWELLなど)に切り替えるタイミングが訪れるかもしれません。
とはいえ、「無料でここまでできるのか」と驚かされる完成度の高さは本物です。
Lightningは、WordPressにおける最初の一歩を安心して踏み出したい方にとって、間違いのない選択肢だといえるでしょう。
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